ユンギとホシの対談内容まとめ

韓流ブームに火がついた2000年代初頭あたりから定着したK-POPという言葉。

その歴史の中で現在のK-POPシーンをけん引し、ビルボードで1位を獲得したビッグアーティストのBTS。

多くのK-POPアーティストが作ってきた道をさらに大きくしたBTSの後ろには、さらなる新星たちが続いています。

今回はBTSのユンギ(SUGA)が、後輩でありK-POP界のホープであるホシをゲストに迎えてトークをする映像を題材に、2人のことなどを深掘りしていきましょう。

ホシって誰?

切れ長の優しい瞳で清潔感と可愛さやセクシーさのあるホシ。

実は彼、SEVENTEENというK-POPグループのメンバーにしてパフォーマンスチームのリーダーです。

ホシは1996年生まれの26歳(2022年当時)、世代的にはBTSのすぐ下の世代。

SEVENTEENは2015年のデビューですから2013年にデビューしたBTSとは年齢も近く、一番近くでBTSを見てきた存在でもあるのです。

29歳(2022年当時)を迎えたユンギにとってはある意味、弟のような後輩でもあるのがホシ、その人です。

緊張して話しかけられない!というホシ

ユンギからみれば弟のような後輩かもしれませんが、ホシから見れば話は別。

K-POPシーンのトップをひた走るBTSのユンギという大先輩、という感じでしょう。

ホシは、そんなユンギと何度も同じ現場を経験しているものの緊張してしまって話しかけられなかったそうです。

雲の上の存在のような先輩に気軽に話しかけることができる人はそうはいませんよね。

そんなホシに、ユンギは「気楽にやってください」と優しくにこやかに声をかけ緊張をほぐします。

「Run BTS」チャレンジにしてくれたホシに「僕、見ました」「すごく上手い」「ありがとう」とも伝え、2人の距離をグッと縮めるユンギの懐の深さがとても印象に残ります。

ツアー中、時差ボケがひどくて眠るために愛用したというウィスキーを差し入れたホシに、「(時差ボケがひどくなるの)わかるわかる」と共感し、ホシの苦労を受け止めるユンギ。

一緒にウィスキーを飲みながらのトークだったこともありますが、ここを境に二人の会話が弾みだします。

ユンギ自身もBIGBANGのSOLが「怖くて近寄りがたかった」と語っており、こういった機会に後輩との壁を壊したかったユンギの共感力が伝わるインタビューは続きます。

アメリカで活動出来ているのはBTSのお陰!というホシ

「Dynamite(2020年)」が全米チャートのビルボードで1位を獲得したこともありますが、そこに至るまでもアメリカでも精力的に活動してきたBTS。

そんなBTSが築いた道のすぐ後ろを走るSEVENTEENにとって、SEVENTEEN自身のアメリカでの活動はBTSがいたからこそ可能になった、とホシは考えているようです。

確かにBTSのすぐ後ろを走るSEVENTEENにとっては、BTSが先にアメリカで活動をはじめ、K-POPという地位を揺るぎないものに押し上げたことによる恩恵はあったでしょう。

「先輩たちがインフラを作ってくれた」と語り、その活動をけん引してきたBTSやユンギに素直に尊敬の念を抱いているホシ。

映像全体を通してとてもよく伝わってくるのですが、ホシは非常に謙虚で素直な好青年なのです。

ユンギはこれに照れながらも「SEVENTEENが頑張った結果」と認め、労います。

BTSもSEVENTEENも、本当に真剣に活動してきたからなのでしょうね。

互いに、そのレベルの高さや半端ではない苦労を真に分かち合えるようです。

後輩からの尊敬や理解ある言葉に「これをわかってくれる人がいるなんて」と報われたような表情を見せたユンギが記憶に残ります。

SEVENTEENの活動を見てきたユンギ

年齢は3歳ちがい、デビューは2年ちがいというユンギとホシ。

同じK-POPスターと言うだけではなく、同じ会社(事務所)の仲間として同じ「とき」を生きています。

テレビ局や撮影現場、会社やジムなどでお互いを見かけたことも多かったでしょう。

同じ会社であるため、プロデューサーや代表が練習生をどれだけ厳しく育てているかはユンギ自らもよくわかっています。

練習生の姿を監視カメラで外部に発信する姿を見て「そこまでやるのか」と驚いたとも語りました。

その中で、才能やセンスを花開かせるための努力と、誰よりも上に行くのだという信念を持ち続けて力をつけてきたホシやSEVENTEENを、過酷な世界を勝ち残ってきた彼らを、ユンギはずっと見てきました。

「練習生を見て、みんなにチャンスがある訳ではなく心が痛む」というユンギの言葉は、世界の音楽シーンで輝くK-POPスターの後ろには輝きたくても輝けなかったたくさんのアーティストたちの報われなかった努力があることを、まざまざと物語っています。

同じ会社の後輩として、同志として、ライバルとして、勝ち抜いてきたホシにリスペクトを持って接しているユンギ。

それを実現させてもなお、謙虚でひたむきなホシ。

BTSやSEVENTEENに限らずK-POPアーティスト全体に言えることですが、このような環境の中で生き抜き、世界というマーケットで強烈な異彩を放つ彼らの強さを見た気がします。

最初見たとき「面白いグループだ!」と思った

はじめてホシたちを見たユンギは「本当に上手い人たちが入ってきた」とその衝撃を語ります。

そして、上手さだけでなくステージ上での彼らのパフォーマンスにも光るものを感じたのでしょう。

当時の彼らを「毎回ステージでの構成がすごくちがう、面白い!」と評価しています。

観客の心をつかみその瞬間を最高のものにするために、楽曲の中にアドリブパートを作り試行錯誤しながら観客を魅了し、楽しませる術を磨いてきたSEVENTEEN。

 楽曲やパフォーマンスに加え、観客の心を動かす表現やその場の空気を変えていく力を備えたSEVENTEEN、確かに「面白い」存在ですよね。

インタビューの中盤では、「SEVENTEENはうまくいくと思った」とユンギに言わしめたほどです。

名前の由来について話すユンギ

ユンギとホシの会話は、ホシという名前の由来へと進んでいきます。

「ホシ」とは韓国語で「虎の視線」を意味するそうで、虎のように強く鋭い眼で厳しい世界を勝ち残っていく、という願いが込められているようですね。

また、日本語の「星」も意識しており、「SEVENTEENの中で輝く存在、中心となる人物」という位置づけも感じられる素晴らしい名前であることがわかります。

パフォーマンスチームのリーダーとしてチーム全体をけん引するホシには、相応しい名前ですね。

ちなみにユンギはSUGAと名乗っていますが、「肌が白い、笑うと甘い=砂糖」「音楽のセンス(甘くない)との対比」「成功して味わう甘さの比喩」などの意味が込められているそうです。

ユンギはラッパーとしての力や楽曲制作力、ホシはダンスパフォーマンス力や振付。

お互い、異名を付けられるほどのオーラや才能、センスあふれる二人ということですね。

【出典】 https://danmee.jp/knews/k-pop/bts-suga-5/

練習生時代の話で盛り上がる2人

今でこそ名前の知れた彼らも、はじめはもちろん練習生。

宿舎での生活など、お互いの共通点で話はさらに盛り上がります。

練習生は個室などは与えてもらえず、ひとつの部屋に8~10人ほどで暮らすそうです。

二段ベッドが3個で6人分の寝床、それでは足りないので床に布団を敷くようですが、当然ながら修学旅行や部活の合宿でもここまでにはなりませんよね。

これだけでも、いかに強烈な環境で日々しのぎを削っているかがわかります。

でも、それだけではないようです。

集団生活で似たような衣服を洗濯しているので、いつのまにか自分の服が無くなってしまうこともしばしばで、特に下着はいつの間にか混ざってしまって、練習生の共有物になってしまうのだとか。

これは「練習生あるある」なのですね、二人とも今日一番の共感といってもいいくらいでした。

この環境から這い上がっているのですから、すごい訳です。

ユンギの肩の怪我の話しに・・・

ステージで輝くために、その裏では血がにじむような努力や苦労もいとわない彼ら。

インタビューの前半で「時差ボケがひどい」と言ってたのは序の口です。

最高のパフォーマンスを見せるための努力が、ときとして大きな代償を生むことも。

常に肩の痛みを抱えながら高みを目指してきたユンギは、痛み止めやテーピング、アイシングなどで何とかしのいできました。

しかし、「Black Swan」や「On」のときに限界を超えてしまったそうで、肩の手術をしたのです。

人の記憶や歴史に残るパフォーマンスや存在に、文字通り体を張って挑んでいるのですね。

(個人的にはお酒の好きなユンギの肝臓も心配ですが)

こういった努力や苦労の果てに、ようやく掴める栄光。

彼らは、生半可な気持ちではないのですね。

共通するステージへの想い

楽曲やパフォーマンスなどを含めて常に高いレベルを求め、それを実現してきたK-POP陣。

周囲の要求も必然的に高くなるなかで、どう最高のステージを作っているのでしょうか。

「(観客の期待に応えるためには)何でもやらなきゃ」というチャレンジマインドを持ってBTSが開拓してきた手法を、後輩たちが活用してさらにそのレベルを上げていく、そんなアーティスト同士の切磋琢磨もあるようですね。

グループ内では、どう目線や方向性を揃えていくのでしょうか。

メンバー同士の個性を認め合いながらもお互いがアイコンタクトで顔色を確認したり、話し合ったりしながら「最高になれなくてもベストを尽くす(ホシ談)」という意識を共有して、完成度を高めていくそうです。

「最高のステージへの気持ちはみんな同じ(ユンギ談)」、最終的にメンバー数や難易度を超えてベストを尽す気持ちが様々なものを凌駕していくのかもしれませんね。

グループアーティストとスポーツの関係?

高みを目指すという点では、アーティストもアスリートも同じ。

ユンギは、パフォーマンスをバスケットに例えてこう表現しました。

「全員がオフェンスでも、全員がディフェンスでも勝てない。調和がないと」

これは隠れた名言ですね。

それぞれのメンバーがそれぞれの役割を理解し、その役割に対してベストを尽くす。

そうすることで、ステージや試合にひとつの流れや一体感が生まれて勝利へと繋がっていく。

メンバー全員の個性や能力を知り適材適所で信頼し合って任せ合う、そして各自が最高の仕事をする。

「ひとりがみんなのために」、まるでラグビーの「One for all.」に通じる考え方。

BTSの楽曲やステージなど多くのプロデュース経験を持つユンギならではの視点、素敵です。

SEVENTEENが通ってきた悩みが分かるユンギ

メンバーが多いので完全体で居られる時間が限られている。

しばしの充電期間が必要なことすら悲しい。

それぞれが別の活動をはじめれば、もう一度13人で集まるには時間がかかる。

充電期間や別々に活動するようになったらどうすべきか。

ホシはそんな悩みを抱えているといいます。

SEVENTEENとして、パフォーマンスチームリーダーとして、高みを目指し努力を続けようやくその高みに手がかかりかけたとき、その高みの頂点に登りそこに居続けたい、さらに上を目指したい、でもそういう時期には限りがある。

努力と苦労の末たくさんの業績を成し遂げてきたBTSも当然そういう悩みを抱えました。

時の流れの速さや、その中で輝き続けるために歩みをとめないことの大切さや歩みを止めることで進化が止まってしまうのではないかと不安になってしまうこともあるようです。

ユンギもホシと全く同じ悩みを抱えてきたのですね。

ホシの気持ちを深く理解し、寄り添いながらエールを送る姿がグッときます。

音楽は唯一・・・

そんな悩みを抱えたとき、ユンギは先輩に相談をしてひとつの解を見出しました。

「音楽はタイムマシン。それは音楽にしかできない」

いいときばかりではないけれど、充電期間を経ても音楽や表現を続けることでかつての思い出に酔いしれてくれる人がいる。

だから音楽を続けよう、不安になりすぎないでほしい、不安に飲み込まれると大切なものを失ってしまうから。

ユンギは先輩からもらった言葉を自分なりに肉付けして、こうホシにエールを送りました。

K-POPの良さや強さ、それはメンバーが互いに高め合うだけでなくチームやグループ同士が認め合い高め合い、シーン全体が高め合っていることから来るのですね。

ファンの人はチームだから愛してくれる。

「誰かが誰かを好きになる感情は最も難しい、そしてその感情が大切。そんな感情を抱いてくれる、一緒にいいものを作る努力をしてくれるファンのために完全な姿を目指し、楽しいときを感じてもらうために努力すべきだ」

そう語るユンギは、活動の原動力はファンにあることやエンターテインメントとはそういうものであると強く感じているのでしょう。

そして、「チームだからこそ大きなことが実現できる」「メンバーともっと話そう」とも。

「チームが優先であり、個人はチームのために努力する(SOL談)」

BTSがその背中を追いかけてきたBIGBANGのSOLが、ユンギに伝えた言葉が受け継がれた瞬間でした。

シーン全体が高め合うK-POPシーンでは、チーム思想も育まれているようです。

ユンギの原体験は中学生?

どんなアーティストにも表現やパフォーマンスを行うことに目覚める瞬間や体験があります。

ホシが「中学生の頃が楽しかった、戻れるとしたそこに」と話したパートでは、2人のアーティストとしての原体験が明かされました。

2人とも、中学時代に学園祭でステージパフォーマンスをしたことで脚光を浴びることに目覚めたのだそう。

「それを味わったら戻れないよ」と、ホシに強く共感しながら語ったユンギ。

たくさんの人を前に上手く歌えた姿を見せて得られた歓声や喝采から、歌手やアーティストという独特の感覚に目覚め、今もその高みを追い求めているのですね。

ユンギに「中学に戻れたらまた同じ(歌手を目指す)選択をする?」と問われたホシ。

「少しの迷いもなく選択する」と答える姿に「選ばれし者」を感じますね。

まとめ

今回はユンギとホシのインタビューを通して、BTSやSEVENTEENの活動の原点や原動力、K-POPシーン全体の姿やその魅力の根源を見ることが出来ました。

チームや仲間が認め合い高め合う姿、後輩が真摯に先輩を尊敬しひたむきに努力する姿、先輩が奢ることなく後輩の良さを認めエールを送る姿、最高を求めてベストを尽くす気概には心を撃たれましたね。

もちろん、ファンをシーンの一部を担う存在として大切にしている姿勢にも。

これからの世の中には「多様性の尊重」というキーワードが必須ですが、K-POPシーンにそのヒントを見たような気がします。

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